年頭のあいさつ(平成30年)

新年明けましておめでとうございます。会員の皆様には健やかな新年を迎えられたものとお慶び申し上げます。

■昨年は「吟道会館」が完成、今後の吟道普及活動の拠点へ

さて昨年は日本詩吟学院創立80周年の記念事業として「吟道会館」を建築し、5月に完成し、稼働しました。この建築には皆様から多大の浄財をいただき、改めて感謝申し上げます。月刊吟道にも詳しく載りましたが、自社ビルが完成いたしました。この会館は今後の吟道普及活動の拠点として機能を果たすことになります。是非東京に出た折には、皆さんの本家・実家と思って足を運んでみてください。

■吟道を通して心の豊かさを実感させたい

機関紙「吟道」本年1月号に今年の抱負として「吟道を通して心の豊かさを実感させたい旨と吟技の基礎・基本の確認、会員増強・指導者育成に努める」を記しました。今の世の中が複雑多岐に亘り、こういうときこそ今一度、物事の出発点に立ち返り、見直す時期かもしれません。昔はよく詩吟を通して何を学ぶのか、ということを耳にした時期がありました。私は詩吟は趣味の一つであり、趣味を通して仲間ができ、そこで教養が培われ、教養がさらに芸術となり、「道」の世界に至る。「道」というのは何でもそうですが「真理を究める」という意味があると思います。したがって我々が学ぶ詩吟・吟道は心の糧であり、人間形成の学問や教養の素であります。その中に「心の豊かさ」を再認識していきましょう。それは取りも直さず、社会浄化の一旦を担い、社会貢献している証です。

■趣味を持つことは頭の老化を防ぐ最良の医療

以前、私の主治医であった大塚先生から、こんな話をされたことがあります。先生は学生時代、合唱部に所属していたそうで、「あなたは詩吟をしているのですか、声を出すことは健康にとてもいいですね、それに趣味を持つことは頭の老化を防ぐ最良の医療ですよ…。長く寝ていて足を使わないと筋肉が衰えてしまうように頭も精神的刺激がない状態が長く続けば脳も年をとってしまう」と…。
     「言志録」 佐藤一斉(江戸後期の儒学者)
      少くして学べば 壮にして成すあり
       壮にして学べば 老いて衰えず 
        老いて学べば 死して朽ちず
学ぶということはいくつになってもできるものです。是非生きがいのある趣味をもってください。趣味を持つことは人間の証です。

 宮城岳風会の今年の目標は…

宮城岳風会の今年の目標は、
 ①趣味(詩吟)へのチャレンジ
 ②吟技の向上、基礎基本の確認
 ③会員増強、一人が一人を連れてくる
こと。 会員の皆様の今年一年の健康・長寿を願い、ますます吟道に精進されますことを祈念し、年頭のあいさつといたします。

宮城岳風会会報 第93号(平成30年1月1日)より