著者は、認知症の母の介護、子どもの世話、そして、夫の死などのストレスによる体の不調が全身に表れ、うつ病に近い状態になる。生島ヒロシさんの勧めで、14年間のブランクからアナウンサーとして復帰することに。復帰のためのトレーニングとして、ヨガ、呼吸法を学び、身体を整え、そして、発声、発音、滑舌などを鍛えました。
本書はそ音読トレーニングとして、声を良くするレッスン、声量をキープするレッスン、なめらかに読めるようにするレッスン等の実践が紹介されています。吟詠にも参考になると思います。著書から2つのコラムをを紹介したいと思います。

「寺田理恵子著「毎日音読」で人生を変える」コラム「スモールステップ」より
毎日同じことの繰り返し。つまらない。家事もやる気がしない。そんな気持ちになったことがありませんか。
人にやる気を持たせる、いわゆるモチベーションアップの方法があります。
それは、「目標をもつこと」です。人は、目標というゴールが決まると、自分の進むべき方向が定まり、やる気が起きます。
どんな目標でも構いません。
そして目標をもったら、次にその目標に向かって何をどう進めていくか、計画(アジェンダ)をたてましょう。その計画はできるだけ細かく書きましょう。ゴールに向けて、一日にこなす項目を細分化すると、目標を達成ししやすくなります。
これは「スモールステップ」という方法です。
一つ一つをやり遂げることで、達成感が生まれ、モチベーションが持続するというものです。
また、その項目を一つ一つ書き出して、こなしたことをチェック「✓」すると、やり遂げた事が可視化され、達成感はさらにアップします。
私は、毎日「やることリスト」をつくっています。「〇〇さんにメール返信」「〇〇に振込」「メルカリ発送」「シーツの洗濯」「〇〇の本を読む」「〇〇の朗読の練習をする」など。
忘れないための覚書でもありますが、おかげで毎日やることがたくさんあって、充実した日々を送っています。

「寺田理恵子著「毎日音読」で人生を変える」コラム「イメージすることの大切さ」より
身体を整えたいと思い、スポーツジムでヨガのレッスンを受けていました。
ヨガでは「身体の声を聴いてください」といわれます。
それは、身体に意識を向けることです。身体を動かすときには脳が働いています。脳と身体を結びつけることが大事なのです。
ヨガでは身体を動かす際、「イメージ」という言葉を使って表現することがあります。
ここでみなさんにやってみてほしいことがあります。
はじめに、無意識に歩いてみてください。
次に頭のてっぺんが上に引っ張られているイメージで歩いてみてください。
どうですか?
上に引っ張られるイメージをしただけで、背筋がまっすぐに伸びませんか?
では次に、腰を誰かに後ろから押されているイメージをもって歩いてみてください。
モデルウォークを習ったとき、「腰で歩く」と言われましたが、まさに腰を意識して歩くのです。腰から前に進む感じで、気持ちよく足が前に進みませんか。
次に、地面を後ろ足で蹴るイメージで歩いてみてください。
足首が自然と動きますね。大地を踏みしめるように、足の裏で大地を感じましょう。こうすると足の裏に意識が行きます。
私の朗読は、このヨガの「イメージ」を取り入れています。イメージをもつことで声も話し方も変わります。
イメージすることの大切さが実感できると思います。
【出典】
発行書:株式会社さくら舎 「毎日音読」で人生を変える-」-活力がでる・若くなる・美しくなる