年頭のあいさつ(令和3年)



新年あけましておめでとうございます。会員の皆様には健やかな新年を迎えられたものとお喜び申し上げます

◆50周年の節目を通して気持ちを新たにし、新しい目標・希望にチャレンジしていきたい

さて昨今はコロナ禍で宮城岳風会のすべての行事が中止となりました。同様、総本部関係の行事もすべて中止になりました。

今のところ創立50周年大会は改めて今年2月7日(日)紅陽グランドホテルで行う予定です。

この行事を通じて会員が一丸となり「節目節目に襟を正す」ことは先人への報恩感謝の表れであり、また明日への目標を確認する伝統行事として日本人の習性に叶ってこの50周年の節目を通して気持ちを新たにし、新しい目標・希望にチャレンジしていきたいと思っています。

◆生涯学習の一環として、日本の伝統文化である吟詠を通じて健康で明るい社会づくりを目指した積極的な活動を

中国から発生した新型コロナウイルスは今や世界中に蔓延し、多くの犠牲者を出し、我が国においても未曽有の犠牲者が出て、特に宮城県でも1500名以上の感染者が出ています。

詩吟教室もこのコロナ禍のため、昨年3月~6月まで練習を休み、見守って居りましたが収束の気配も見えず、会員の中からストレスがたまりはじめ、このままでは病気がちになるというので各自コロナ対策をしながら、教室を7月から再開いたしました。幸いにも詩吟の仲間に感染者が出ておらず何よりでした。

先ず7月・8月と担当師範の先生方に集まっていただき、研修会を開き、先生がたの意識付けを図ることを目的に勉強会を行いました。

9月には教場長さんに集まっていただき、会員の動向について情報交換などを、11月には再び指導者研修会を開催し、令和3年度の審査吟と吟技の向上を目指し勉強会を行いました。

このコロナ禍で休会者や退会者も出始め、現在の会員は530名迄減少しました。何とか皆さんの力で会員の増強を図りたいと願っています。ご協力の程お願いいたします。

かつて詩吟人口は平成元年の頃、12万人おりましたが会員の高齢化の進行や価値観の多様化、また社会情勢の変化により趣味の世界に対する考え方も大きく変化して参りました。総本部の会員は現在4万名となり、減少の一途をたどっております。

私はこのような時こそ生涯学習の一環として、日本の伝統文化である吟詠を通じて健康で明るい社会づくりを目指した積極的な活動が必要だと考えています。この取り組みを通して人々の心に「ゆとりや潤い」をもたらし、そして人生の豊かさを分かち合うことによって日本文化の創造と発展に資することが出来ると確信しております。

◆「今」この瞬間が二度とないものであることを確認し、一日を大切に生きていきましょう

さて禅語に「而(に)今(こん)」と言いう言葉があります。「今」を大切に生きるという意味です。この世に存在するものは、一瞬一瞬にして流転し変化していき、何一つとして同じものはありません。

まさに鴨長明「方丈記」の一節に、「よどみに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて、久しく留まりたるためしなし」なのです。

「今」の中に全部があるのです。「今待ち」です。「今」この一瞬一瞬しかなく、本当に、今、この瞬間しかないのです。これを失わないようにしなければなりません。

明日を考え、明後日を考え、来年を考えているのは頭で考えた世界であって、本当のものは今の刹那なのです。絶対の生命の真実は「今」しかないのです。それが「而今」の心です。

「今」この瞬間が二度とないものであることを確認し、一日を大切に生きていきましょう。

令和3年「吟道」一月号に今年の抱負として「創立50周年の節目の年、新たな気持ちで一丸となり、吟技向上と会員増強に努めて参りたい。」と記しました。

今年の宮城岳風会の目標は
① 詩吟へのチャレンジ、吟技の向上を目指す
② 会員増強や吟詠の普及を図る
③ 地区大会・小地域区分を見直すとともに新たな大会の取り組み

会員皆さまの今年一年のご健康・長寿を願い、益々吟道に精進されますことを祈念し、年頭の挨拶といたします。


                                              宮城岳風会会報 第102号より